(1)木曽日弦-1
木曽日弦、正式名称は「木曽日本弦楽器」。 このメーカーに関しては、会社(工場?)が木曽福島にあったということだけで、 なにも私にはわかりません。 製造年は不明ですが、50年代の終わり頃ではないでしょうか? レベルにはシリアル・ナンバーも製造年も何もスタンプされていません。 fホールのカット部分を見ると、トップは合板。 おそらくサイドとバックも合板でしょう。 指板はエボニーやローズではなく、普通の木(?)を黒く塗装したものです。 おもしろいのは、ピックガードまで木(合板)なこと。 しかもボディ同様のサンバーストに塗装されており、 水張りデカールで、「Kiso Nichigen」というロゴが入っています。 このデカールの上からはラッカーがかかっていないので、 当然、弾き込めばはげてしまいます。幸いこれはほぼ無傷で残っています。 このギターは、10年近く前に東京代々木のフリーマーケットで購入しました。 買ったばかりの時はホコリだらけだったのですが、 家に持ち帰って「ピカール金属磨き」でこすると、まさにピカピカになりました。 残念なのは弦がすべて切れており、テイルピースが紛失していたこと。 しかたがないのでボディの痕跡からサイズを推定し、 手元にあったパドック材(だったと思います…)で自作しました。 同時にペグをクルーソン・タイプの3対3のモノに交換。 あとはナットを製作すれば弦が張れるのですが、まだ完成していません。
(2)木曽日弦-2
ヘフナーのバイオリン・ベースを思わせるユニークなヘッド。 しかし、これを製作していた人たちは ヘフナーのことをおそらく知らなかったはずなので、 独自にデザインしたものだと思います。 作られたのはビートルズが登場する以前でしょうし。 ヘッドのマークはピックガード同様、水張りデカール。 竪琴をアレンジした洒落たマークです。
(3)木曽日弦資料
「YMM Player」の1977年4月号に掲載された、木村秀勝(憂歌団)のザ・ギターです。 引き込まれてボロボロ、だいぶ変色もしていますが、たしかに同型のギター。 ここにも書かれていますが、実はこのギター、ご存じかもしれませんが、 最初に内田勘太郎氏が1200円(1500円説もあったかな?)で入手し、 木村氏が1万2000円で購入した茶木のピックギターとこれを交換したのです。 1200円の木曽日弦と1万2000円の茶木…。その価格差なんと10倍! 当時の茶木はギブソンのパチもん扱いで評価が低かったとはいえ、 到底、フェアなトレードとは言えませんね。 しかし、本人たちが満足しているのだから、それはそれでいいわけですが。 うまいことやりましたねぇ、勘太郎さんも。 これは私の持っているものとはテイルピースの形状が違いますが、 オリジナルか交換されたものかは不明です。 ただ、竪琴のロゴマークと共通性があるところを見ると、 私の所有機のものがオリジナルだと思われます。 木曽日弦についてわかっていることは以上です。 早くナットを製作して音を出そうと思っています。