スモール・ヘッド仕様のスパロゴ・フェルナンデスです。 カタログ上でこの仕様だと、FST-85YS。 ところが張りメイプル指板仕様。 本来ならこのモデルは完全ワンピース・ネックのはずなんですが、 これは以前の仕様をひきずっているようです。 ボディ材はおそらくシルバーハート。 鳴りはなかなかですが、トーン的にはアルダーに近い感じがします。 ネックがやたら黄色く焼けているように見えますが、 これはもともとこういった塗装でした。 このモデルの前身になるFST-80(スモール・ヘッドでモダン・ロゴ)の頃から、 黄色というかオレンジ色っぽい塗装がされていました。 しかも中にはこれと同じオールド風塗装(ネックだけ)が施された FST-60すら存在しました(一時期所有してました)。 なにより驚きはデッド・ミント状態といっても過言ではない美しさ。 ほとんど弾かずにしまわれていたようです。 シリアルは5で始まっていますから75年の製造かと思われます。 しかし、少し前にギター・クレイジーの掲示板にも書き込んだんですが、 75年には店頭に並んでいたのを見た記憶がありません。 実際、76年の「ミュージック・ライフ」6月号の広告で、 ワンピース・ネック仕様のFST-70が「新製品」と紹介されていますから、 この時期のモデルが一般に出回り始めたのは76年になってからだと思います。 スパロゴ時代のカタログも、76年になってからもらったように記憶してます。 とにかく当時のフェルナンデスのカタログには製作した年が書かれていないので、 年度の特定が難しいのです。グレコならちゃんと書いてあるんですがね…。
(2)●スパロゴのヘッド
フェルナンデスのスパロゴです。 このロゴが使用された期間はごく短かったはずです。 これまでこの目で確認した実機は、この1本を含めて、 4本ていどしかありません。 おそらくそれ以前のモダン・ロゴも含めて、 あまりにも本物そっくりなんで、自主的に使用を停止したんじゃないでしょうか? でも本物に比べて異様に長いのが妙ですね。 今ではとても本物に似ているとは思えません。